top of page
検索
執筆者の写真ねむねむ

【実験レポートや実験プレゼンに便利】Excelで計算した図表を綺麗に整形する方法 その2(実際のやりかた)

更新日:2022年4月5日

前回はExcelで計算したデータをグラフ化して綺麗に整形する方法をざっくりと説明しました。また、Excel初心者のためにExcelの開き方についても説明しました。今回は、実際にデータを入力していきましょう!


目次

↓その1(概説とExcel入門者への準備)

Excelでデータをまとめる方法(概説)

データを綺麗な表にする方法(概説)

グラフを綺麗に整える方法(概説)

実際にやってみる(データの用意)

準備

 Excelの開き方(Windows10の場合)

 「空白のブック」の作り方

 「名前を付けて保存」する方法

↑その1はここまで

↓その2(実際のやりかた):今回の記事


データの用意ができていない人へ

今回はこちらのデータを用います。

暦Wiki/平均軌道要素 - 国立天文台暦計算室

暦Wiki/惑星/会合 - 国立天文台暦計算室



例1: ケプラーの第3法則をデータから視覚化してみよう

地球とかの惑星は太陽の周りを動いています。地球なら、だいたい365日で1周します。太陽ような恒星の周りを1周するのにかかる時間を公転周期といいます。惑星の軌道半径をa, 公転周期をP とすると



という関係があります。

これを実際にデータで見てみましょう!

軌道長半径は次のサイトを参照して入力します:

暦Wiki/平均軌道要素 - 国立天文台暦計算室

a=」ってなってるのが軌道半径です。今回は時間に依存しないところまで考えます。Tを無視して入力していきます。最終的に小数第五位で四捨五入します。

公転周期はフリーで参照できるところが見つからなかったので、計算で導きます。

次のサイトに載っているデータから計算していきましょう:

暦Wiki/惑星/会合 - 国立天文台暦計算室

このサイトの会合周期というものを用います。

会合周期をS, 地球の公転周期をEとすると惑星の公転周期P

内惑星の場合:



外惑星の場合:



となります。

まずExcelで空白のブックを作成して次のデータを入力します。


データの入力の仕方

データの入力の仕方について説明します。

エクセルにある一つ一つのマスのことをセルといいます。セルはこんな感じでA1とかB2とかC4とかっていうように呼んでいきます。


1,2,3 …のまとまりで呼ぶときは行、A, B, C, …のまとまりで呼ぶとき列といいます。


行方向は「十字キーの上下」または「ShiftキーとEnterキーの組み合わせ」で移動できます。




列方向は「十字キーの左右」または「ShiftキーとTabキーの組み合わせ」で移動できます。





また、マウスでセルをクリックすることで入力したいセルにピンポイントで移動することができます。


セルを選択した状態で文字を打ち込もうとするとデータの入力ができます。


以上のことを使ってデータを入力していきます。会合周期のデータは、データのない(定義されない)地球の欄には「ー」(ハイフン)を入れておきます。すると、こんな感じにできます。


これだと「軌道長半径」の「径」が欠けてしまっていますね。


このようなときには「列の幅の自動調整」を行います。

列を選んで、「ホーム」タブの「セル」の項目にある「書式」をクリックします。すると、「列の幅の自動調整」とあるのでそこでクリックします。「自動調整」を行うと、入力されているデータの全体が、なるべく見えるようにしてくれます。


「列の幅の自動調整」を行うとこんな感じになります。



データを計算する方法

軌道長半径をそこまで細かく見たいわけではないので、今回は小数第五位で四捨五入します。この計算をExcelにしてもらいます。四捨五入をする関数にROUND関数があります。

ROUND関数の使い方は次のようになっています。


=ROUND(四捨五入するデータ, 残す小数点以下の桁数)

こんな感じで書きます。実際には下の画像のようになります。データは「B4」のように指定します(列の幅の自動調整は適宜おこなっています)。



ここで「Enter」キーを押すと



こんな感じで計算結果が表示されます。

式やデータの入力は上のfxと書いてあるところの隣の入力欄からクリックすることでもできます。セルをダブルクリックをすることでもできます。これらのときはEnterキーを押すまで入力が終わりません。



さて、同じことをD4, D5, D6…とやっていきたいわけですが、一々やるのも面倒ですね。そんなときのために便利な機能がオートフィル機能です。


やり方は画像のとおりです。



これで軌道長半径のデータが準備できました。


次に、公転周期のデータを計算で求めていきます。会合周期から公転周期を求める式を確認します。会合周期をS, 地球の公転周期をEとすると惑星の公転周期P

内惑星の場合:



外惑星の場合:



となります。これをセルに代入して計算していきます。Excelでは分数を "/" で表して





という計算のことを



=1/(1/E-1/S)

のように書きます。実際にはEやSにはデータとして使うセルの場所が入ります。そして、次のように入力します。



式中の365.25というのは地球の公転周期です。そこで、地球の公転周期のデータをE6に入力しておいて式に具体的な数値が入ってない形に書き換えてみます。


Enterキーを押すとこんな感じで計算してくれます。



あとはE4からE5までオートフィルします。



E6は地球の公転周期なので365.25を直打ちして、E7~E11は改めて式を打ち直します。


=1/(1/E+1/S)

となるように"-"(マイナス)を"+"に書き換えて入力していきます。もちろん、オートフィルを活用しましょう!


そうするとこんな感じで出来上がってきます。


公転周期5万日といわれても想像がつきにくいですね、何年なんでしょう?というわけで、公転周期の単位を日から年に換算します。惑星の公転周期を地球の公転周期で割ります。



これもオートフィルを活用して一気に求めます。しかし、さっきのように求めようとすると



??????

何かおかしいですね????こんな時に便利なのが"$"という記号です。次のように入力します。



$について説明します


$●△

みたいに入力すると「●列に固定する」という意味になります。こうすると、オートフィルの時でも、参照する列がずっと固定されます。


●$△

みたいに入力すると「△行に固定する」という意味になります。こうすると、オートフィルの時でも、参照する行がずっと固定されます。


$●$△

みたいに入力すると「△行●列に固定する」という意味になります。こうすると、オートフィルの時でも、ずっと参照するセル固定されます。これを使って分母を地球の公転周期に固定します


これでオートフィルを行うと



このようにしっかりと求まりました!!!


グラフを描く方法

これで、グラフを書くデータがそろいました!それでは、グラフをプロットしていきましょう!

まず、見やすくするために使うデータだけを取り出します。ウィンドウの下にある「+」マークを押してシートを追加しましょう。



新しくできたシート(この場合は「Sheet2」)に軌道長半径aと公転周期Pを入力します。



ここからデータを移していくのですが次の方法を使うと一気に移すことができます。



公転周期についても同じように移すことができます。



次に、グラフにする範囲を選択します。次の画像のように複数のセルを選択します。



複数のセルの選択の仕方

複数のセルの選択の仕方にはいくつかありますが

  • マウスでドラッグする方法

  • キーボードのCtrlキーを活用する方法

の2つを紹介します。2つ目のCtrlキーを活用する方法はデータが増えたときに便利です。

1.マウスでドラッグする方法(画像の左側)

セルの真ん中あたりから指定したいセルの範囲をドラッグします。この方法は感覚的で便利ですが、大きいデータを使うときにはドラックする時間が少しかかってしまいます。

2.キーボードのCtrlキーを活用する方法(画像の右側)

まず、初めのセルをマウスでクリックして指定しておきましょう。Shiftキーを押しながら十字キーを操作すると、複数のセルを選択できます。また、Ctrlキーを押しながら十字キーを操作すると、データの端っこまでジャンプできます。この2つを組み合わせると、大きいデータの時にも2,3回くらいの操作で、しかも数秒の時間で範囲選択を済ませられます。


グラフにする範囲を選択したら、いよいよグラフにしていきます。

範囲を選択した状態で「挿入」タブをクリックして移動します。



移動したら、グラフの項目にいくつかのグラフが載っています。今回のグラフは散布図にします。



グラフの項目にある点々が書いてあるグラフ(散布図といいます)をクリックします(画像を見てください)。



そして、散布図の項目の一番上の一番左側をクリックします。



すると、次のようにグラフが挿入されます。



横軸が左側の列、縦軸が右側の列の量が自動的に入るようになっています。グラフだけ取り出すとこんな感じです。



上のグラフでは0の近くが密集して見えにくいですね。一方で0から遠いところでは点の間隔が広すぎてこれはこれでわかりにくいですね。このようなときには対数グラフが役に立ちます。これから上のグラフを対数グラフにしていきましょう。


対数グラフの作り方

まず、横軸の数字のあたりを右クリックします。



すると、メニューが出てくるので「軸の書式設定」を左クリックします。



Excelの右端のほうに軸の書式設定が出てくるので、「対数目盛を表示する」をクリックします。



こうすると横軸が対数目盛になります。



片方の軸が対数目盛になっているグラフを片対数グラフといいます。一方で、両方の軸が対数目盛になっているグラフを両対数グラフといいます。このグラフも両対数グラフにしていきましょう。


軸の書式設定が出ている状態で、縦軸の数字のあたりをクリックします。こうすると、軸の書式設定が縦軸のものに切り替わります。ここでも、「対数目盛を表示する」をクリックすれば対数目盛になります。






これで両対数グラフができました。グラフだけ取り出すとこんな感じです。



点がある程度全体に広がっていて見やすくなりました。しかも、対数にすると点が直線上に並んでるように見えますね。これは縦軸をy,横軸をxとすると



という関係を



というグラフに書き起こしたものになっています(k, lは定数です)。数値の関係、性質によってグラフを使い分けることが大切です。

よく見かけるグラフみたいに、横軸を下端、縦軸を左端に移動しましょう。「軸の書式設定」に「縦軸との交点」(または「横軸との交点」)という項目があります。



この項目で「軸の値」をクリックして、隣の値を0.01にそれぞれ変更します。



するとグラフはこんな感じになります。



これで両対数グラフができました。

参考:

もし、



という関係でグラフを書きたい場合、Pのデータを2乗したものと、aのデータを3乗したものを計算したうえで、グラフを書くという方法もあります(次のグラフは上がデータ全体、下が0付近を拡大したものです)。

これで、グラフもデータもとりあえず完成です。では、これでレポートを提出しようとするとどうなるかというと

めちゃくちゃ怒られます。

なんでかというと、見やすさやわかりやすさの面でよろしくないからです。これを直していきます。しかし、これはExcelだと不便です。細かいところに手が届きません。そこでPowerPointの力をお借りしましょう。


PowerPointに図表を移す

とりあえず、出来上がった表とデータをコピーしてPowerPointにペーストしましょう。

コピーのコマンドは「Ctrl」+「C」、ペーストのコマンドは「Ctrl」+「V」です。






では、PowerPointで図表を綺麗に整えていきます。

PowerPointを使うコツ

PowerPointを使うコツとしては一つは

  • ガイド機能を活用する

というのがあります。たとえば、Shiftを押しながら何か移動したり、拡大縮小したりしようとすると、点線が出てきてくれることがあります。それに合わせることで綺麗に配置できたり形を整えられたりできます。PowerPointの使い方のコツはこちらの記事で説明してくれているので参考にしてください(正確な図形の作図の項目が参考になると思います)


【実験器具の作図】パワーポイントを用いた図の描き方


表を綺麗に整える

表の整形について説明します。表の編集は「テーブルデザイン」タブと「レイアウト」タブで行います。文字の編集のために「ホーム」タブの「フォント」、表のタイトルの編集などのために「ホーム」タブの「図形描画」、数式の入力のために「挿入タブ」の「数式」を用います。



まず、シンプルなデザインのほうがよいので「テーブルデザイン」タブの「表のスタイル」から罫線が背景色が白で罫線が全部引かれているものを選びます。




あとは「テーブルデザイン」タブの「罫線」のところから編集したり





「レイアウト」タブの「配置」のところから文字の配置を調整したり



「挿入」タブの「数式」から、数式を数式っぽく表示したり



表自体の大きさ(スケール)を適宜調整していきます。




あと、どの惑星がどのデータなのかを書き忘れていたので「レイアウト」タブの「行と列」から惑星名の一覧を追加しておきましょう






罫線を減らすと、さらに見やすくなります。



最後に「ホーム」タブの「図形描画」のところから横書きのテキストボックスを作って表のタイトルを作ったら完成です。




グラフを綺麗に整える

最後にグラフの整形について説明します。グラフの編集は「グラフのデザイン」タブと「書式」タブで行います。文字の編集のために「ホーム」タブの「フォント」、表のタイトルの編集などのために「ホーム」タブの「図形描画」、数式の入力のために「挿入タブ」の「数式」を用います。



まず、グラフのタイトルを消します。これはグラフのサイズ調整をしやすいようにするためです。



あとは、グラフのどこかを左クリックして「○○の書式設定」を開きます(このあたりはExcelと同じです)。



「○○のオプション」のあたりをクリックしてグラフの軸や目盛り線の書式設定を変更できます。


点の色や軸の色、グラフのサイズを調整していきます。

点の色は「系列1」、軸の色は「縦軸」や「横軸」の項目で設定していきます。

グラフの目盛りで使われている文字は、「ホーム」タブのフォントの項目で変更すると便利です。



最後に軸のラベルを追加します。これは横書きテキストボックスで追加します。グラフの下に図のタイトルも追加しましょう。






これでグラフはとりあえず完成です。



 

終わりに

以上で、とりあえずはデータをプロットして図表を整形することができました。

もちろん、大学の学科の先生方にもグラフについての解説資料を作ってくれている方がいらっしゃると思うので、そちらも(いや、むしろそちらを)参考にしてくださいね。

何かわからないことがあればTwitter(ID: I_am_sleepyyyy)のDMに連絡してください。

ここまで見ていただきありがとうございました。それでは!






閲覧数:83回0件のコメント

Comments


記事: Blog2_Post
bottom of page